そもそも知的生産性って?

知的生産性という言葉を最近耳にする機会が多くなりましたが、それは一体何者なのでしょう??


知的生産性ってなんでしょう?

「生産性」という言葉からまず読み解いてみます


「生産」は「何かを生みだす」こと。

「生産性」となると、その何かを生む効率の良さ、と解釈できそうです。


では知的なものを生産するとはどういうことでしょうか?


知的、などと言うと、急に頭の良さを問われそうですが、どうもそれだけではないようです。




例えば、小説などはどうでしょうか?


小説の生産性、と言われると印刷や製本の機械の性能の高さ、とは思えませんよね。

映画も同様と思われますし、CDも、写真集もそうでは?と思いませんか?




どうも新しいアイデアのような「ヒラメキ」を効率的に生産する、と言えそうに思えます。

今までのような、カタチある「製品」から「共感されるアイデア」が大切、と言っているように思えましたね。


ではなぜ今、知的生産性なのでしょうか

十五年ほど前でしょうか。渋谷に大きくサムスンの液晶ディスプレイの看板がありました。

そのディスプレイはなかなか格好良くデザインされており、「買ってもいいかな?」と思わせる商品でした。

一方で、当時のクオリティから見れば「どうせ値段相応なんだろ?」とタカをくくっていましたが、今や液晶ディスプレイの世界ではサムスンは市場のメインプレイヤーになってますよね。



正直、今ディスプレイはもとより、パソコンの性能も、色々書かれても正直その差が分からない話になっていませんか?

どれを買ってもまぁ同じレベルでしょ、そこそこ使えればいいのだから、安いのでも良い、と思う人も多いでしょう。



液晶テレビも洗濯機も冷蔵庫も電子レンジも炊飯器も、決定的な差別化が難しい商品はどうやって「お客様に選ばれる」ようになるでしょうか?




「機能的価値」という言葉があります。これは商品そのものの性能をお客様価値として市場で戦う、という意味です。

では明確な性能差が得れない場合はどう市場でプレゼンスをもつのか、が次の問題になります。



そこで登場するのが「情緒的価値」です。お客様が理解できるレベルではない「技術力の性能差」ははっきり言ってしまえば無意味です。一回の洗濯の消費電力が2.3円と2.2円で2.2円の方が優勢ではない、ということです。0.1円の差なら、何が購入のキーファクターになるでしょうか?



キーファクター自体は様々あるので多くを語りはしませんが、デザインは相当に差別化要素となるでしょう。

昔は炊飯器と言えば円筒状の電気製品でしたが、スクエアな形状且つ鮮やかな色使い、で差別化を試みた商品といえるでしょう。

当時の常識を疑った結果、このデザインが承認されたのだと思います。

よく考えれば四角四面の方が掃除も楽ですし、台所のムダな面積を占領しない、実は合理的では?

また、炊飯器と言えば白ベースでデザインされ、キッチンの1キャストに収まっていたものですが、鮮やかな色使いでキッチンの主役になろう、という意思も見えます。



このような「当時の常識」を疑ってみることから、デザインによってアドバンテージを得た商品と言えそうですね。




逆に残念な例を言ってしまうとX-BOXが象徴的な例かもしれません。

当時のゲーム市場はハイスペック競争で、ソニーはPS2でちょっとしたワークステーション並の性能、対する任天堂はNintendo64で勝負していた中、性能差があれば勝てる、と踏んだのかもしれませんが、X-BOXは当時最高性能で市場に参入、一部のマニアックな層に絶大な支持を得ましたがビジネスとしては大失敗だったと予想されます。



この場合は性能差がユーザーの心をつかむ市場ではなくなっていた、と意味すると思われます。圧倒的な技術的性能差はもはや多くのユーザーには価値と感じることが出来なく、もっと本質的な楽しいゲームってなんだろう、とプラットフォームよりコンテンツで勝負するように市場が変化していたのかもしれません。

ボーカロイドって、実は知的生産性?


結論から言ってしまえば、かなり高度な知的生産性の代表作、といっても過言ではありません。



この商品自体は、実はプラグインソフトであり、歌わせること自体は出来ないはずですで、バンド形式、となると

それ以外のDTMソフトが必要となります。

では、初音ミクを買ってきた!明日からユーチューバーになるぞ!となってもそう簡単ではありません。

DTMソフトがなければ、せっかくの美声も発揮できない、となります。

世の中には沢山フリーウェアのDTMソフトがあります。

代表作はこれではないでしょうか?

スタジオ・ワン、ですね。フリーウェアの美点は、頻繁に更新版が出るので、使い続ける上で

特にアディショナルな費用が発生しせずに最新版を使えることですね。

特に、更新はユーザーのリクエストに基いて行われるので「かゆいところに手が届く」、

場合が多いのが嬉しい機能です。

正直、自分で遊ぶくらいであればスタジオ・ワンで十分ですが、より便利に、となると

フリーウェアとはいかなくなります。ボーカロイドはヤマハ系列で、同じくヤマハ系統の

「cubase」というソフトが必要になります(もちろん他の有料DTMソフトでも可能です)

他に、パソコンのオーディオ性能を補う「オーディオインターフェース」もあるのが望ましいです。

さてさて、ここで大事なのは、ボーカロイドから始まって、気がつけば結構な出費が必要、ということです。

もっと言ってしまえばモニタースピーカーもまともなものが欲しくなりますし、互換性を高めるソフトも、となり、「パソコンに歌わせてみよう」というアイデアよって巨大な市場が切り開かれた、とい事実です

このように、アイデアで大きな市場を開拓する、が知的生産性の本質と考えれます。